ある冬の朝、高崎市内にお住まいの50代の男性から一本の電話がありました。「父が残した家なんですが、雨漏りもあるし隣地との境界も曖昧で…こんな物件でも売れますか?」という不安そうな声でした。実はこうしたご相談は決して珍しくありません。相続した不動産に何らかの問題を抱えているケースは、私たちが扱う案件の約7割を占めています。
訳あり物件と一口に言っても、その内容は実にさまざまです。建物の老朽化、境界未確定、再建築不可、事故物件、心理的瑕疵など、それぞれに適切な対応方法があります。今回は実際に高崎市で訳あり物件の売却に成功した事例をもとに、どのような流れで進んだのか、何がポイントだったのかを詳しくお伝えします。
この記事では、実際の体験談を通じて、訳あり物件でもしっかりと価値を見出し、納得のいく売却を実現する方法をご紹介します。
高崎市で実際にあった訳あり物件の売却事例
今回ご紹介するのは、高崎市片岡町から車で約15分の住宅地にあった築45年の木造住宅です。所有者のAさんは東京在住で、3年前にお父様が亡くなった後、この家を相続しました。しかし相続後は一度も使うことなく、固定資産税だけを払い続けている状態でした。
この物件には複数の問題がありました。まず雨漏りによる天井と壁の著しい劣化、さらに隣地との境界が未確定で塀の位置も曖昧、加えて建物内部には大量の家財が残されたままでした。Aさんご自身も「こんな状態では売れないだろう」と半ば諦めていたそうです。
しかし実際には、相談から約4か月で買主が見つかり、想定していた価格の95%で成約に至りました。この成功の背景には、問題を一つずつ丁寧に解決していくプロセスがありました。
最初の診断で明らかになった問題点と評価額
初回のご相談後、私は現地を訪問して建物と敷地の状態を詳しく確認しました。建築士としての視点で建物の構造や劣化状況をチェックし、宅建士として法的な問題や取引上のリスクを洗い出し、FPとして相続税や譲渡所得の試算も行いました。
建物診断の結果、雨漏りは屋根の経年劣化が原因で、天井裏の構造材にも一部腐食が見られました。ただし基礎や主要な柱には大きな問題がなく、解体前提であれば建物評価はゼロ、土地のみの価格で売却可能と判断しました。敷地面積は約200平米で、周辺の取引事例から土地評価は約1,200万円程度と見込まれました。
境界問題については、法務局で公図と地積測量図を確認したところ、隣地との境界が一部未確定であることが判明しました。また建物内の家財については、処分費用として約30万円が必要と見積もりました。これらの情報をもとに、Aさんには売却前にやるべきことと、それぞれにかかる費用と期間を明確にお伝えしました。
境界確定と建物診断書作成のプロセス
訳あり物件をスムーズに売却するには、問題点を明確にして買主に正しく伝えることが不可欠です。Aさんのケースでは、まず境界確定測量を行うことにしました。土地家屋調査士に依頼し、隣地所有者の立ち会いのもと境界を確定させました。
この作業には約1か月半を要し、費用は約45万円でしたが、境界が確定することで買主は安心して購入を検討できるようになります。実際、境界未確定の物件は購入後のトラブルリスクがあるため、金融機関の融資審査でも不利になることがあります。
並行して、私自身が建物の詳細な診断書を作成しました。雨漏りの箇所、構造材の状態、設備の劣化状況などを写真付きでまとめ、解体費用の見積もりも取得しました。解体費用は建物の構造や立地によって異なりますが、このケースでは約150万円という見積もりでした。こうした情報を事前に開示することで、買主は購入後の計画を立てやすくなり、交渉もスムーズに進みます。
売却活動で工夫したポイントと反響
訳あり物件の売却では、物件情報の見せ方が重要です。単に「訳あり」「要解体」と書くだけでは、多くの人が敬遠してしまいます。今回は物件の魅力と可能性を丁寧に伝えることを心がけました。
具体的には、土地の形状が整形地で建築しやすいこと、周辺環境が静かで子育て世代に適していること、最寄りのスーパーまで徒歩8分という利便性などをアピールしました。また建物診断書と解体費用見積もりを添付することで、「この物件を購入したら総額いくらかかるのか」が明確になるようにしました。
売却価格は土地評価1,200万円から解体費用相当額を差し引いた1,050万円でスタートしました。この価格設定が功を奏し、公開後約2週間で3組の内覧希望がありました。そのうち1組は地元の建築会社で、解体から新築まで一貫して対応できることから強い関心を示してくれました。
価格交渉と最終的な成約までの体験
内覧後、建築会社から購入の意思表示がありましたが、希望価格は1,000万円でした。Aさんは当初「少しでも高く売りたい」と考えていましたが、私からは早期売却のメリットをお伝えしました。
訳あり物件は時間が経つほど劣化が進み、管理コストもかかり続けます。Aさんの場合、年間の固定資産税が約12万円、火災保険が約3万円で、合計年間15万円のコストが発生していました。また東京から高崎まで見回りに来る交通費や時間的負担も無視できません。
専門家としての視点から、現在の市況や物件の状態を踏まえると1,000万円は妥当な価格であること、これ以上待っても大幅な価格上昇は見込めないことをご説明しました。Aさんは熟考の末、この価格で売却することを決断されました。契約から決済まではスムーズに進み、約1か月で無事に引き渡しが完了しました。
売却後の相続税と譲渡所得の実際の数字
訳あり物件の売却では、税金面の理解も重要です。Aさんのケースでは、相続税の申告は既に完了しており、相続税評価額は約900万円でした。今回の売却価格1,000万円との差額100万円が譲渡所得の計算対象となります。
ただし実際には、測量費用45万円や仲介手数料などの諸経費を差し引くことができるため、課税対象となる譲渡所得はわずかでした。さらに相続した不動産の売却では、相続税の取得費加算の特例を使える場合もあります。Aさんの場合、相続から3年以内の売却だったため、この特例を適用することで譲渡所得税の負担をさらに軽減できました。
こうした税務面の計画は、売却前にしっかりと試算しておくことが大切です。代表は相続や不動産売却の税務に精通しており、個々のケースに応じた最適な方法をご提案できます。売却後に予想外の税負担が発生して慌てることのないよう、事前の準備が重要です。
まとめ|訳あり物件でも諦めずに専門家へ相談を
高崎市での訳あり物件売却の体験を通じて、いくつかの重要なポイントが見えてきました。まず、どんなに問題がある物件でも、状況を正確に把握して適切に対応すれば売却は可能だということです。Aさんのケースでは、雨漏り・境界未確定・家財残置という3つの問題がありましたが、一つずつ解決することで想定価格の95%での成約を実現しました。
次に、専門知識を持つ人間が最初から最後まで一貫して対応することの価値です。建物の状態診断、法的問題の整理、税務の試算、売却戦略の立案、価格交渉まで、それぞれの局面で専門的な判断が求められます。ホームクエストでは、現場経験者が窓口から決済まで一貫してサポートするため、情報の行き違いや対応の遅れがありません。
そして最も大切なのは、早めに相談することです。訳あり物件は放置するほど劣化が進み、管理コストもかさみます。「こんな物件では相談しにくい」と思われるかもしれませんが、私たちは相続・空き家専門として、さまざまな問題を抱えた物件に対応してきた実績があります。まずは現状をお聞かせください。きっと解決の糸口が見つかるはずです。
ホームクエストでは、相続・空き家・空き地・農地のご相談を承っています。経験豊富な代表が、最初から最後までご一緒します。
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