ホームクエスト
株式会社ホームクエスト 群馬県高崎市|相続・空き家・空き地専門
売却成功事例

二世帯住宅を分割売却した珍しい事例【高崎市】

2026年05月30日

二世帯住宅は、家族同居を前提として設計された特殊な住宅形態です。親世帯と子世帯がそれぞれの居住空間を持ちながら同じ建物に暮らす設計のため、相続や生活環境の変化に伴って売却する際、一般的な戸建てとは異なる課題に直面します。

今回は、株式会社ホームクエストが手掛けた高崎市内の二世帯住宅の珍しい売却事例として、建物を物理的に分割して売却した実例をご紹介します。建築士・宅建士の視点を組み合わせた解決策をお伝えしますので、似た状況にある方の参考になれば幸いです。

事例:完全分離型二世帯住宅の相続

ご相談いただいたのは、高崎市内に完全分離型の二世帯住宅を所有していた40代の男性でした。建物は両親が建てた完全分離型で、玄関・キッチン・浴室・トイレがすべて別々、内部で行き来できない構造になっています。

父親が他界し、母親も介護施設に入所したことで、空き家となりました。男性自身は隣の市に独立した家を持っており、二世帯住宅に住む予定はありません。複数の不動産会社に相談したものの、「二世帯住宅は買い手が限られる」「価格を大幅に下げないと売れない」という回答ばかりでした。

物件の概要は次の通りです。築20年、木造2階建て、延床面積約180㎡、土地面積約250㎡、完全分離型二世帯住宅、それぞれ2LDK相当の独立空間。立地は閑静な住宅街で、生活インフラは整っています。

二世帯住宅売却の難しさ

二世帯住宅が売却で苦戦する理由をいくつか整理します。

まず、買主層が極めて限定されることです。二世帯住宅を必要とするのは、親と同居予定のある世帯のみで、一般的な核家族にとっては「使わない部屋が多すぎる」物件と映ります。広さの割に売れにくい典型的な物件タイプです。

次に、大幅なリフォーム・改修が必要になることです。一世帯用に住み替えるには、不要な水回りの撤去、玄関の一本化、内部動線の修正など、大規模な改修工事が必要となるケースが多くあります。

そして、価格と需要のミスマッチです。建物が広く立派なため売主は高値を希望しますが、買主側は「使い勝手の悪さ」を理由に値引きを求める傾向にあり、両者の希望価格に大きな乖離が生じやすいのです。

採用した戦略:建物を物理的に分割

弊社では、本物件の特殊性を逆手に取った独創的な戦略を提案しました。それが「建物を物理的に分割して、2つの独立した住宅として売却する」という方法です。

本物件は完全分離型で、構造的にも左右対称に近い設計でした。建築士の視点から精査したところ、建物中央部分に新たな外壁を設けることで、2つの独立した戸建て住宅として分筆登記・分割販売できる可能性が見出せました。

具体的には次のような工事計画を立てました。第一に、土地を2筆に分筆し、それぞれの建物に対応する敷地を設定。第二に、建物中央部分に新たな構造壁と外壁を設置し、2つの独立した建物として再構成。第三に、それぞれに独立した進入路と駐車スペースを確保。第四に、給排水・電気・ガスの各設備を完全に分離。

この工事には約500万円の費用が見込まれましたが、それぞれの住戸を独立した戸建てとして売却することで、合計売却価格は工事費を上回る見込みが立ちました。

成約までの流れ

計画について、まず行政の建築指導課に事前相談を行い、分割後の建物が建築基準法上問題ないことを確認しました。その上で、土地家屋調査士・司法書士と連携し、分筆登記・建物分割登記の手続きを進めました。

分割工事は約3ヶ月で完了。2つの独立した戸建てとして、それぞれ別々のチラシ・広告を作成し、独立した物件として販売を開始しました。

結果として、片方の住戸は3,200万円、もう片方は2,950万円で別々の買主に成約。合計6,150万円の売却となりました。工事費500万円を差し引いても、二世帯住宅のまま現状渡しで売却した場合の想定価格(4,500万円程度)を大きく上回る結果となりました。

お客様にとって、長年悩みのタネだった実家を有利に処分でき、十分満足のいく結果となりました。

分割売却の検討ポイント

本事例のような分割売却は、すべての二世帯住宅で可能なわけではありません。検討にあたって押さえるべきポイントを整理します。

第一に、建物構造の独立性です。完全分離型で、左右または上下が独立した構造になっていないと、分割は困難です。共有部分(廊下・階段など)が多い構造では、分割後の動線確保が難しくなります。

第二に、土地の分筆可能性です。建築基準法の接道義務、用途地域の条件、最低敷地面積などをクリアできる土地形状でないと、分筆は認められません。

第三に、工事費用と売却価格の収支です。分割工事費を上回る売却価格上昇が見込めなければ、戦略として成立しません。事前のシミュレーションが不可欠です。

第四に、専門家との連携です。建築士・土地家屋調査士・司法書士・行政書士との連携が必要となるため、こうした専門家ネットワークを持つ仲介業者との取引が前提になります。

分割売却以外の選択肢

分割売却が困難な二世帯住宅でも、他の選択肢があります。

1つ目は、賃貸併用住宅としての売却です。一方の住戸を賃貸用、もう一方を居住用として活用する買主に向けて販売します。投資的視点を持つ買主層に響きます。

2つ目は、シェアハウスや事業用としての売却です。グループホーム、サービス付き高齢者住宅、シェアハウスなどへの転用を検討する事業者向けに販売する方法です。

3つ目は、解体して土地として売却です。建物の活用が困難で、立地が良い場合は、解体して更地化する選択肢もあります。

まとめ|特殊物件こそ専門家との相談を

二世帯住宅のような特殊物件は、定型的な売却手法では対応できないケースが多くあります。建物の特性を正確に把握し、最も価値を引き出せる戦略を組み立てることが、納得価格での売却につながります。

株式会社ホームクエストでは、特殊物件の売却についても、建築士の視点を活かした柔軟な戦略提案を行っています。「二世帯住宅で売却に困っている」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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