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相続した収益物件の売却|入居者がいる場合の進め方

2026年05月20日

「親から相続したアパートをどうすれば良いか」というご相談が増えています。収益物件として運用するか、売却するかの判断、特に入居者がいる場合の売却プロセスは、一般的な不動産売却とは異なる配慮が必要です。

株式会社ホームクエストでは、相続不動産の中でも収益物件のご相談を多数手掛けてきました。本記事では、相続した収益物件を入居者付きで売却する場合の進め方を、宅建士の視点から解説します。

相続した収益物件の選択肢

相続した収益物件には、大きく3つの選択肢があります。

第一は運用を継続する選択肢です。家賃収入を継続的に得られる魅力がありますが、賃貸経営のノウハウや物件管理の手間が必要です。築年数の進行に伴う修繕費用の増加も考慮ポイントです。

第二は売却する選択肢です。一括で現金化でき、相続税の納税資金や他の用途への活用が可能になります。賃貸経営の手間や将来のリスクから解放されるメリットもあります。

第三は建て替えやリノベーションを行う選択肢です。建物の価値を再生し、収益性を高める方法です。多額の投資が必要ですが、長期的な収益基盤を強化できます。

どの選択肢が最適かは、物件の状況、相続人の意向、税金面の影響などを総合的に判断することになります。

収益物件売却の特徴

収益物件の売却は、自宅売却とは異なる特徴があります。

第一に、買主層が異なる点です。自宅売却では一般のファミリー層が買主となりますが、収益物件では不動産投資家、賃貸経営事業者、不動産業者などが主な買主となります。

第二に、価格決定の考え方が違う点です。自宅は周辺取引事例による価格が中心ですが、収益物件は「年間賃料収入÷利回り」で算出される収益還元価格が重視されます。たとえば年間賃料300万円、期待利回り8%なら、価格は3,750万円が目安となります。

第三に、入居者の存在です。入居者がいる状態で売却する場合、賃貸借契約は新しい所有者に引き継がれます。入居者の同意なく退去させることはできません。

入居者がいる物件の売却方法

入居者がいる収益物件の売却には、主に2つの方法があります。

1つ目はオーナーチェンジです。入居者がそのまま継続居住することを前提に、物件を売却する方法です。賃貸借契約は新しい所有者にそのまま引き継がれます。投資家や賃貸経営者向けの取引で、現状の収益を引き継いで運用したい買主に適しています。

2つ目は入居者退去後の売却です。入居者の退去を待って空室にしてから売却する方法です。一般のファミリー層への売却が可能になり、価格を引き上げられる可能性があります。ただし退去まで時間がかかる、立ち退き料が発生する、退去後の維持費がかかるといった課題があります。

オーナーチェンジでの売却プロセス

オーナーチェンジで売却する場合のプロセスを整理します。

第一に、物件情報の整理です。賃貸借契約書、入居者情報、家賃入金履歴、修繕履歴などをまとめます。これらは購入希望者からの問い合わせ対応や、収益還元価格の根拠資料として必要となります。

第二に、収益還元価格の算定です。現在の賃料、空室率、運営費用などを踏まえた収益還元価格を算出します。市場の期待利回りを把握し、適正価格を設定します。

第三に、投資家向けの広告掲載です。不動産投資物件を扱う媒体やネットワークを通じて、物件情報を発信します。投資家は数値で判断するため、利回りや収支シミュレーションを明確に提示することが重要です。

第四に、内覧対応です。空室部分の内覧、外観・共用部の確認などを行います。入居者がいる部屋への立入は、入居者の同意がないとできません。

第五に、契約と引き渡しです。売買契約を結び、決済日に所有権移転と賃貸借契約の引き継ぎを行います。入居者には所有者変更の通知を行い、新しい振込先などを案内します。

入居者退去後の売却プロセス

入居者退去後の売却を選ぶ場合、退去のタイミングと方法が課題となります。

賃貸借契約には更新時期があり、契約の解除には正当事由と立ち退き料が必要となるケースが一般的です。一方的な退去要求はできず、入居者との交渉が必要です。

立ち退き料の相場は、家賃の3〜10ヶ月分程度が一般的ですが、入居期間や物件の状況により大きく変動します。場合によっては解約合意金として数百万円単位の支払いが必要となることもあります。

このアプローチが有利になるのは、立ち退き料を含めた費用を引いても、空室売却で得られる価格の方が高くなるケースです。築古アパートの建て替え用地としての売却などでは、空室での売却の方が有利な場合があります。

収益物件売却で気をつけるべきポイント

収益物件の売却では、次のポイントに注意が必要です。

第一に、正確な収支情報の提供です。投資家は収支データに基づいて判断するため、実態と異なる情報を提供すると後々のトラブルにつながります。家賃滞納の有無、空室期間、過去の修繕費なども正確に開示する必要があります。

第二に、入居者への配慮です。売却プロセス中も入居者の生活を妨げないよう配慮することが大切です。所有者変更が入居者に不利益を与えないよう、丁寧な対応が求められます。

第三に、税金面の検討です。収益物件の売却では、譲渡所得税の他に、減価償却累計額の調整、消費税の課税関係(居住用は非課税、事業用は課税対象)など、複雑な税務処理が発生します。税理士との連携が必要です。

第四に、火災保険・賃貸借契約の引き継ぎです。火災保険は売主が解約・売主名義のものを引き継ぐかなど、細かな手続きの整理が必要です。

収益物件売却での価格交渉のポイント

収益物件の価格交渉では、自宅売却とは異なるアプローチが必要です。

投資家は「いくら投資すればいくら回収できるか」という観点で判断します。期待利回りを下回る物件は買い手がつきにくく、上回る物件は競争が起きやすくなります。

価格交渉では、現在の賃料水準が適正かどうかも論点になります。「相場より低い賃料」なら値上げの余地があるとして高評価につながりますが、「相場より高い賃料」なら次回更新時の値下げリスクとして評価が下がります。

築年数や設備の状況も重要です。「修繕費用がいくらかかるか」「長期修繕計画は」など、将来の支出を予測した上での投資判断となります。

株式会社ホームクエストのサポート

株式会社ホームクエストでは、相続収益物件の売却について、以下のような形でサポートしています。

第一に、収益還元価格の算定です。現在の収益と市場動向を踏まえた適正価格を提示します。第二に、運用継続 vs 売却の比較分析です。FPの視点から、長期的な収支シミュレーションを提供します。

第三に、投資家ネットワークの活用です。当社のネットワークを通じて、物件に関心を持つ投資家にアプローチします。第四に、入居者対応のサポートです。入居者への通知や引き継ぎ手続きを丁寧にサポートします。

まとめ|専門的なサポートが鍵

相続した収益物件の売却は、一般的な不動産売却よりも複雑なプロセスとなります。専門的な知識と経験が必要な分野ですので、信頼できる不動産会社との連携が成功の鍵となります。

株式会社ホームクエストでは、高崎市・群馬県内の収益物件の売却について豊富な実績があります。「相続したアパート、どうすれば」「運用と売却、どちらが有利」などのご相談を、お気軽にお寄せください。

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