「うちの土地は形が悪いから売れにくい」と悩まれている方は意外と多いものです。三角形、L字型、台形、旗竿地など、整形地ではない土地は確かに売却が難しいとされています。しかし、適切な戦略を取れば、不整形地でも納得のいく価格で売却することは十分可能です。
株式会社ホームクエストが手掛けた高崎市内の不整形地売却事例を通じて、不整形地を高値で売却するためのポイントをご紹介します。
事例の物件概要
今回ご紹介するのは、高崎市内に200㎡超のL字型不整形地を所有していた70代の男性の事例です。先祖から相続した土地で、昔は農地として使われていましたが、近年は管理が困難になり、売却を検討されていました。
土地の形状は変則的で、長辺と短辺が直角に交わるL字型。前面道路への接道は問題ありませんでしたが、土地全体を一つの建築用地として使うには使い勝手が悪く、複数の不動産会社からは「形が悪く整形地より2割減の評価」「買い手がつきにくいので大幅な値下げが必要」といった厳しい査定を受けていました。
ご相談時のお客様の希望は「できれば3,000万円以上で売却したい」というものでしたが、他社からの査定は2,400万円程度。500万円以上の差をどう埋めるかが課題となりました。
戦略:分筆による価値向上
弊社が提案したのは、土地を分筆して2つの建築用地として売り出す戦略でした。L字型の土地を、長辺部分と短辺部分に分け、それぞれを独立した建築可能な土地として整形します。
分筆には測量と境界確定が必要で、初期費用として約80万円が発生しました。しかし分筆により、それぞれの区画が「整形に近い建築可能な土地」として評価されるため、合計の販売価格が大きく上がる可能性があります。
建築士の視点で各区画のプランを試算し、土地A(長辺側、約120㎡)には3LDKの戸建てが建てられること、土地B(短辺側、約80㎡)にはコンパクトな2LDKや投資用住宅が建てられることを確認しました。買主が建物プランを具体的にイメージできる資料を準備したことで、土地の魅力を伝えやすくなりました。
売却プロセスの実施
分筆の手続きと並行して、売却活動を開始しました。土地A・土地Bそれぞれを別々の物件として広告掲載し、ターゲットを意識した訴求を行いました。
土地Aは「ファミリー向けの建築用地」として、子育て世帯をターゲットにしました。建物プラン例、周辺の小学校情報、子育て支援制度などをまとめた資料を作成し、購入後の暮らしのイメージが具体的に湧くよう工夫しました。
土地Bは「コンパクトな建築用地」として、シングル層・DINKS層・投資家をターゲットにしました。土地代を抑えてコンパクトな住宅を建てたい層、または投資用住宅として運用したい層に向けて、利回り試算なども含めた資料を準備しました。
結果として、売り出しから約2ヶ月で土地Aに購入希望者が現れ、3週間後に土地Bにも申込が入りました。最終的な成約価格は、土地A:1,950万円、土地B:1,400万円、合計3,350万円となりました。当初の他社査定2,400万円から比較すると、950万円増の結果です。
本事例から見える成功のポイント
不整形地の高値売却に向けた成功のポイントを整理します。
第一に、土地の使い方を再設計する発想です。元の形のまま売却することにこだわらず、分筆や合筆など土地そのものの形を変える選択肢を検討することで、価値を大きく引き上げられることがあります。
第二に、建築士の視点での価値分析です。「この土地にどんな建物が建てられるか」を具体的にイメージできることで、買主への訴求力が格段に高まります。建築士の視点を持った不動産会社のサポートが、成約価格を左右します。
第三に、ターゲットを絞った売却活動です。同じ土地でも、買主層によって魅力を感じるポイントが異なります。それぞれのターゲットに最適化した訴求が、成約スピードと価格を高めます。
第四に、初期投資の判断です。分筆費用80万円という初期投資を行うことで、950万円の売却価格上昇を実現しました。費用対効果を見極めた上で、積極的な投資判断ができるかどうかが、不整形地売却の成否を分けます。
不整形地売却の他のアプローチ
分筆以外にも、不整形地売却にはいくつかのアプローチがあります。
隣地との合筆は、隣地所有者と協力して土地を一体化することで、整形地として価値を高める方法です。隣地所有者にもメリットがある場合に成立します。
買主のターゲティング変更も有効です。一般のファミリー層には不向きでも、特定の用途(駐車場、資材置き場、店舗など)を考える買主には魅力的に映るケースがあります。
建築プランの提案を併せて行う方法もあります。「この土地ならこんな家が建てられる」という具体的なプランを提示することで、不整形地のデメリットをメリットに転換できることがあります。
不整形地のメリットを再認識
不整形地は「マイナスの要素」と捉えられがちですが、整形地にはないメリットもあります。価格が抑えめで取引されるため、土地予算を抑えたい買主には魅力的です。個性的な建物プランが可能になることもあります。三角形の土地に建てる三角形の家など、整形地では生まれない個性ある住宅も実現できます。
これらのメリットを正しく訴求できれば、不整形地は「売れない土地」ではなく「個性ある魅力的な土地」として認識してもらえます。
まとめ|諦める前に複数の戦略を検討
不整形地の売却は、戦略次第で大きな価格差が生まれます。「形が悪いから安くしか売れない」と諦める前に、分筆、合筆、ターゲット変更、建築プラン提案など、複数の戦略を検討することが大切です。
株式会社ホームクエストでは、建築士・宅建士の視点を組み合わせた不整形地・難あり土地の売却戦略をご提案します。「うちの土地、どう売ればいい?」という方も、まずは現地を拝見した上で最適なプランをお伝えします。お気軽にご相談ください。