親が亡くなった後、または高齢の親が施設に入所するなどで、実家を整理して売却する「実家じまい」は、多くの方が直面する大きな課題です。何十年もかけて積み重ねられた思い出と物品を整理し、不動産として売却する一連の作業は、心身ともに大きな負担となります。
株式会社ホームクエストでは、群馬県高崎市を中心に実家じまいのサポートを多数手掛けてきました。本記事では、実家じまいを円滑に進めるための具体的なステップを、遺品整理から売却完了までの流れに沿って解説します。
実家じまいを始めるタイミング
実家じまいを始めるタイミングは、ご家族の状況によって異なります。一般的には次のようなタイミングが挙げられます。親が亡くなった後(相続発生後)、親が施設に入所した時、親が長期入院することになった時、親が判断能力を失う前に予防的に進める時、これらが代表的なタイミングです。
中でも親が元気なうちから少しずつ進める「予防的な実家じまい」は、最も負担の少ない進め方です。親自身が物品の取捨選択に関われる、家族と一緒に思い出を共有しながら進められる、急ぐ必要がないため精神的負担が少ない、といったメリットがあります。
逆に親が亡くなってから一気に進める場合、相続人全員での話し合い、相続税申告の期限(10ヶ月以内)、空き家としての維持費負担など、時間的・精神的プレッシャーが大きくなります。
ステップ1:相続関係の整理
実家じまいの第一歩は、相続関係の整理です。親の死亡に伴い実家を相続する場合、まず相続人を確定させる必要があります。被相続人の戸籍を出生から死亡まで遡って取得し、法定相続人全員を特定します。
次に遺言書の有無を確認します。遺言書がある場合、その内容に従って遺産が分割されます。遺言書がない場合、相続人全員での遺産分割協議が必要です。
そして相続登記を行います。2024年4月から相続登記は義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記しないと過料の対象となります。実家じまいで売却する場合も、まず相続人名義への登記が前提となります。
ステップ2:遺品整理の進め方
相続関係が整理できたら、いよいよ遺品整理に取り掛かります。まず家中の物品を分類します。一般的には次の4つに分類するのがわかりやすいです。1つ目は「貴重品・財産価値のあるもの」(現金、通帳、貴金属、骨董品、株券など)、2つ目は「手放すには躊躇するもの」(写真、手紙、思い出の品など)、3つ目は「処分すべきもの」(古家具、家電、衣類など)、4つ目は「リサイクル・買取可能なもの」(比較的新しい家電、ブランド品、書籍など)。
分類作業は予想以上に時間がかかります。特に思い出の詰まった品物の判断は心理的負担も大きいため、一日で全てを終わらせようとせず、複数回に分けて進めることをおすすめします。
自分たちでの整理が困難な場合は、遺品整理専門業者の利用も選択肢の一つです。専門業者は分類から処分まで一括で対応でき、買取も含めて全体を効率的に進められます。料金は家の広さや物量によりますが、戸建て1軒で20〜50万円程度が目安です。
ステップ3:建物の状態確認
遺品整理と並行して、建物の状態確認を行います。建築士による調査を受けることで、建物の劣化度合い、必要な修繕箇所、解体すべきか売却できるかの判断材料が揃います。
長年空き家になっていた家は、見た目以上に劣化が進んでいることがあります。雨漏りによる柱の腐食、シロアリ被害、水回りの故障など、住んでいたら気づいていたであろう不具合が放置されているケースが多いのです。
建築士の視点での調査結果は、その後の売却戦略を決定する上で極めて重要な判断材料となります。「現状のまま売却する」「リフォームして売却する」「解体して土地として売却する」のどれが最適かを判断できます。
ステップ4:売却戦略の決定
建物の状態や周辺の不動産相場を踏まえ、売却戦略を決定します。主な選択肢は次の3つです。
現状渡しでの売却は、建物をそのままの状態で売却する方法です。売主の手間が少なく、解体費用やリフォーム費用も不要です。買主側でリフォームや活用を考える形となるため、買取業者やリフォーム後の転売を考える業者などが買主候補となることが多いです。
リフォーム後の売却は、必要最小限のリフォームを行ってから売却する方法です。一般のファミリー層を買主とする場合、見た目の印象が成約価格に大きく影響するため、最低限のクリーニングや補修は効果的です。ただし大規模リフォームは投資回収できないリスクがあるため、慎重な判断が必要です。
解体して土地として売却は、建物を解体して更地にして売却する方法です。建物の老朽化が進んでいる場合、解体費用を負担しても土地として売る方が高く売れることがあります。空き家の3,000万円特別控除が使える可能性もあります。
ステップ5:売却活動の実施
売却戦略が決まったら、不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。売り出し価格の設定、広告活動、内覧対応、価格交渉、契約手続きを経て、最終的に決済・引き渡しに至ります。
実家じまいでの売却は、相続人が複数いる場合、価格や条件の決定に全員の合意が必要です。事前に意思統一を図っておくことで、売却プロセスがスムーズに進みます。
実家じまいで気をつけたいポイント
実家じまいを進める上で、いくつか気をつけたいポイントがあります。感情的な負担への配慮です。長年の思い出が詰まった家を整理することは、想像以上に精神的な負担が大きいものです。一気に進めず、ペースを保ちながら進めましょう。
相続人間のコミュニケーションも重要です。「兄が勝手に進めた」「妹が反対している」など、相続人間の意見の食い違いはトラブルの元です。重要な判断の前には必ず全員で話し合う場を持ちましょう。
税金面の確認も忘れずに。相続税、譲渡所得税、固定資産税など、実家じまいに関わる税金は複数あります。可能な限り税理士などの専門家にも相談しながら進めることをおすすめします。
まとめ|信頼できるパートナーと共に
実家じまいは、家族の歴史と向き合いながら不動産を処分する、非常に大きな作業です。一人で抱え込まず、信頼できる不動産会社や専門家と共に進めることで、心身の負担を軽減できます。
株式会社ホームクエストでは、高崎市・群馬県内の実家じまいに関するご相談を、初期段階から完了まで一貫してサポートいたします。「何から始めれば」という段階の方も、お気軽にご相談ください。